母と友だちになりたい、といった彼女は、その後、何かと声をかけても、普通の静かな会話しかない。「一緒に散歩も行きましょう。がんばりましょう。」と言った熱い会話はどこへ行ったのか?
そうだよね、程度の差はあれ、彼女も認知症なんだ。
私が甘かった。
おとといの夜、母のところに寄ろうと思ったが電車が大幅に遅れて寄れなかった。
昨日は朝、少し時間をとって、10時のお茶にあわせて行った。
前日、小田原から届いたばかりの無農薬オレンジをたくさん切って持っていった。
母はぼけていても、なかなか細かなことを気にしたりする。
友だちになろう、と言ったTさんの娘さんがときどき来て、おやつをくれる、という。
だから、私にもみんなにあげてほしい、と。
そういうことをしていいとは知らなかったから、職員に確認したところ、いい、という。
3時にはホームで用意しているので10時がいいですね。と。
それで、少しまえ、お菓子のゼリーを1人2つぐらいずつあげてください、と頼んでいたのだがなかなかうまくいかなかった。
そうか、いちいちこちらの用をしているわけにもいかないのだろう。
だから自分でその時間に行ってあげればいいのだ、と理解した。
小さなオレンジだから、一切れはみんなすぐ食べた。おいしいと言ってくれたので職員に聞いてからもう一切れずつ渡した。母は一切れでいいと言ったがそのほかの人はみんな2切れずつ食べてくれた。
そのあと、車椅子で散歩する人がいて、私も母を連れて一緒に散歩させてもらった。
ほぼ敷地内に近い公園をぐるっと回ってきただけだが、生えている草をみて、
取らないのか、と私に尋ねた。庭の草は気になるのだろう。
おだやかなひと時を過ごすことができたと自己満足(?)。
あの後、興奮していなければいいのだが。
母だけでないが、家族が来て、かえって興奮するときもあるらしいから、良し悪しのときも。
ま、そのときどき、しょうがない。
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