2008年5月6日火曜日

ご近所さん

連休も出かけていた。

今日は遠出する予定がなかったので、ゆっくりとした朝を迎えるはずだった。
がご近所から「お茶しない?」と連絡があった。
じゃ、何分後にと伝え、その時間に降りた。

我が家は3軒長屋だ。いや、落語に出てくるような横並びの長屋ではない。
集合住宅なのだが、縦の3軒長屋なのだ。そう呼んでいるだけだが。

我が家は4階、その真下の3階、さらにその真下の2階同士、まるで長屋のように自由に行き来している。

私が一番忙しくしているので家に居そう、となると、すぐに声がかかる。
あるいは我が家に押しかけてくる。
正直、たまに家にいるときは用もたまっており、お茶どころではないときもあるのだが、私が愚痴を聞いてもらいたいときは自分の都合で声をかけるからお互いさまだ。

母が居る間も、何かとお世話になった。遠い親戚よりご近所さんである。

今朝も久しぶり(数日ぶりだが)に元気を確認し合い、どうでもよい話をして心を和ませて4階に戻ってきた。 ややあって、ピンポーン。
玄関に出て見ると「家で携帯が鳴ってましたよ~」と2階の人が携帯を持ってきてくれた。

これだからな~、と夫がアホな現場を見て、うれしそうになじった。
どっちが母に近いかあるいは母を超えているか、しばしば論争になる。

ところで、長屋ほどの付き合いではないがほかにもご近所さんはいる。
今日はご近所の1人が芝居の楽日ということで、見に行ってきた。

彼女が芝居を始めたのはたしか10年ぐらい前。
初舞台は一緒に活動していた市民グループのメンバー全員で見に行った。
芝居には詳しくないが、前衛芝居とでもいうのだろうか。ドタバタ喜劇というのだろうか、ちょっと驚いたが私はきらいではなかった。

しかし、その後、みんなでは行ってない。1人でも行ってない。

今年はうまい具合に行けそうだったから最初から行く予定にしていた。
でも結局最終日になった。満員だった。
作・北村想 演出・流山児祥 楽塾公演<奇想天外の「叙情歌に彩られた」SFファンタジー歌劇?!>と銘打ってある。

楽塾のための書き下ろし作品だとのこと。そう言えば、初舞台は男性が2,3人いたが今日は流山児祥以外は男はいなかった。落ちこぼれたのか?

私のご近所さんは前科何犯の老女役。
髪を逆立て不貞腐れた演技が際立っていた。
似合う。

劇中、老人の犯罪について触れていた。若者の犯罪が多いとメディアでは報じられるが実は老人の犯罪はここ数年で7倍だとか!
老人人口は2倍増だそうだから人口増加のせいではない。
しかし、どこも老人の犯罪については触れない。
知られないようにひっそりと報告書に載っているだけだ。

舞台は、ゴジラ、オキナワ、ヒロシマ、戦争、夢、5次元など夢かうつつかわけのわからない世界が繰り広げられた。


10年前、突然、演劇をやろうと思う、と聞かされたときみんな一様に驚いた。

え? 今から?

もうとっくに40歳を超えていた。

何でも主宰者の流山児祥さんは劇団員募集の要項に40歳以上という条件をつけたらしい。
彼女が言うには、若い団員ばかりだといろいろ言葉や思いが伝わらないことも多くてくたびれる。
本業のプロの芝居のほかに言葉が通じ合う人を集めて芝居もやってみたかったみたいよ、と。

どこまで本当かどうかわからないが年齢制限があったことは事実。
そのうち楽器もやりだし、アマながら本格的な芝居へと技を磨いていたのだった。
今日、演技を見て、歌を聞いて、それがわかった。

いま劇団員の平均年齢は56歳とか。楽塾では今年久しぶりに新人を募集する、とチラシに書いてあった。
応募資格はただ一つ。年齢45歳以上。

応募してみようかな? いやいやそれはない。

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