3・11前に引っ越したタミさんのところを最初に訪ねたのは
いつだっただろうか?
3・11後、あまりにいろいろなことが急展開で進んできたので、
記憶を巻き戻すのにしばしば時間がかかってしまう。
事故が起きたとき、私は埼玉に、娘の家族は横浜にいた。
あのとき、小さい子がいるお母さんたちがそうしたように
2歳の長男を抱えていた娘も長い期間外出を控えていた。
外に出られないからと、ときどき私が孫に会いに行ったり
していた。
そうこうしているうちに娘の連れ合いが海外勤務となり、あちらの
様子が落ち着くまで、娘はしばらく自宅待機となった。
どうせ、外にも出られず、連れ合いもいないのならいっそのこと
タミさんがいる沖縄に旅行に行こうか、ということになった。
私は長くはいられないが、娘は1か月ぐらいウーファーとして
居させてもらうことになり、一緒に出かけた。
那覇からタミさんのいる東村までバスを乗り継がないと行けない。
名護までは高速バスで2時間。そこで乗り換えてさらに1時間。
その名護ターミナルで慶佐次までのバスに乗り換えるさい時間があったので
休憩所でゆっくりお茶なぞを飲んで待っていた。
始発だからまさか乗りはぐれることなどないと思っていた・・・
バスの乗り場の仕組みもわかっていなかった。
気がついたときは慶佐次のほうに行くバス乗り場と
かなり離れていたところに待っていた私たちはあわてて
乗り場まで走ったが、目の前をバスが去って行ってしまった。
次は2時間ぐらいも待たねばならない。
困っていたら、タクシーで***まで行き、そこからバスに乗ると
いいよ、と教えてくれた。
そんなわけでやっとたどりついたのだが、その後、縁があって娘と
孫は名護市に約1年間滞在した。今回、その因縁の名護バスターミナルから
那覇行きのバスに乗って沖縄を娘と孫が引き上げてきた。
バスを待っていたとき、地元の女性が教えてくれた。
始発でもバスは1,2分前しか入りませんよ。
そうか、ぎりぎりに気がついたらどの道間に合わないのだ。
でも、地元の人だったらそんなことで抜かることはないだろう。
私が利用している地元のバスは始発は10分以上は前に入っている。
1年半経てわかったのが引っ越す日だった。
名護バスステーションから始まり、終わりも名護バスステーションだった。
1年間の沖縄滞在のおすそ分けにあずかった私は、沖縄の思い出を
たくさんもらった。
きっとまた来ると思うが、とりあえずさようなら。
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