きょうは暖かな日だった。
自転車で母のところに行ったが、土手を走っても
生温かい風が頬をなでる。
かもや白サギが心地よさそうに泳いでいた。
桜並木をくぐりながら土手を走る。
蕾はまだ固いがこんなに暖かったらあっという間に
開くのではないか、と心配になった。
30分弱、自転車を走らせると母の施設に着く。
前回3日前に訪れたとき、母は絶好調だった。
お昼を食べる間、いやそのときもしゃべりながら
食べている、という感じだったが、とにかく
しゃべり通しだった。
下手に口をはさんだら「そうじゃない」、と即座に否定された。
例によって、息子(私の弟)と孫がお金を持って迎えにくる。
玄関がわからないといけないから、私に玄関まで
行っていろ、という。
今、玄関に迎えに行くから待っていて、と妄想の人と、盛んに応答している。
いつも寝てばかりいる母しか見てない事務の職員はびっくり。
興奮状態が2日ほど続くとそのあとは死んだように眠る。
案の定、きのうは午後1時から夜の10時まで食事もせず一度も
起きずに眠り続けたそうだ。
ときどき心配になって息を確かめに行ったと介護の方。
今日はぼっーとしていた。
ぼっーとしているときは私を叱らない。
私が歯を磨こうと言っても逆らわないでおとなしくしている。
お昼ご飯は黙々と食べていた。
車椅子のK子さんを連れて、階下まで散歩に連れ出した。
ほんとはこんなよい天気のときに何人か連れて外に連れ出したいが
もう一人、お手伝いの人がいないと無理だ。
せいぜい廊下とか違う階に行くぐらい。
K子さんは大正2年生まれだそう。母より9歳年上。
では今年96歳!
驚きだ。耳も遠くないし、認知度もほんの少しおかしいだけ。
私がおしゃべりの相手を、と思っていつも声をかけるのだが、
こちらがおしゃべりの相手をしてもらっているようだ。
今日は戦争の頃の話を少し聞いた。
そのころ、呉にいたと。その前は津和野にいたと。
津和野は観光で一度訪れたことがある、と言ったら
とても喜んでいた。
著名な人がたくさん出ているんですよ、と自慢げだ。
前に山口出身と言われたので祝島のカレンダーを
彼女も喜ぶと思ってすでに持参し貼ってある。
カレンダーは楽しいイラストが満載なので
他の人も職員の人たちもみんな喜んでくれた。
ほとんど関心を示さなかったのは母ぐらい。
これから本格的な春に向かって母の興奮度は増していく。
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