きょうみたいな日を小春日和というのだろうか。
ほんとにおだやかな日だった。
母と60代の娘2人と施設の近くの蕎麦屋で昼食。
その後、近くの公園で小鳥の声を
聞きながらぼーっとしていた。
母には小鳥の声は聞こえていない。
でも耳の近くで話すことは聞こえる。
先週退院してから、毎日のように様子を見に通ったが
病院と違って痛くされるという恐怖がないせいかおだ
やかな表情になっていた。
そして、今日は新潟から姉が出てきた。
1回目の手術のときにも上京し、立ち会ってくれたが、
その日は用事があり手術中に帰ってしまったから母に
とってははっきりとは記憶に残ってないに違いない。
お蕎麦やさんで私と姉がおしゃべりしている間、
母はゆっくりと黙々と箸を進めていた。
ご飯付きのお蕎麦セットを完食。
いわゆる三角食いをしない。前はそうではなかったと思うが
今はできない。
ご飯だけを食べ、その次、おつゆを飲み、おかずを一皿ずつ
片づけて行く。
おかずは口に合わないと残すが、ごはんはよほどのことが
なければ一粒残らず、食べる。
お腹もいっぱいになり、散歩もして、
そのあと部屋に戻ればお決まりのお休みだ。
満足げに横になった。
姉の方をじっと見ている。
そして帰るとき「また来てね、待っているから」と
はっきりした声で言ったのだ。
ついぞ聞いたことのない言葉で正直驚いた。
姉に対しての言葉だったがうれしい驚きだった。
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