昨日は衝撃的な映像を見た。
女優・南田洋子さんを介護する長門裕之さん。
くり返し流す、目をそむけたくなるような認知症の映像。
あ~ 母と同じようだな と思う場面もあった。
あんなきれいなはきはきした女優さんだったのに。
しかし同じようにくり返し流す今の映像はもっと衝撃的だった。
認知症が回復しているのだ。
尋ねてきた元のスタッフらからもらった花束をうれしそうに受け取った。
「あら、あなた顔色悪いわよ」と一人のスタッフの健康を気遣う。
目もしっかりと相手をみすえて、和気あいあいと話がはずむ。
長門さんが
お前、女優に戻るか?
いいえ、戻りませんよ。
セリフの一言や二言はまだ言えるだろう?
(ややマがあって)
もっと言えますよ、と言い返す姿がかわいらしかった。
あなたはダラシがないから・・・
あなただけボケていれば・・・
などとまるでどっちが認知症かわからないような
発言が飛び出す。
南田さんの顔がとても美しかった。
きれいですね~ と褒めるスタッフに
いえいえ、と首をふる南田さん。
番組中に、専門医のコメントが挿入されていたが
肝臓の機能が改善されると症状が緩和される可能性がある。
(もっとよくなるかも?)
肝臓が悪くなって「肝性脳症」になると認知症の症状が出るらしい。
以前、雑誌に出ていた長門さんのインタビュー記事を読んだが
肝臓が治ればよくなる可能性もあるかも知れない、というようなことが
そう言えば書いてあった。
原因は何にせよ、認知症についてもっと深い認識があれば
洋子をここまで悪くさせないで済んだかも知れない。
それよりも自分が生きているのは洋子のおかげだから、
一日も長く自分のほうが生きて洋子を介護するのが自分の仕事だ。
それがなかったら、まったく自分の存在価値なんてないにも等しい。
と何度も言われていた。
番組でも浮気、借金、暴露本、とこれでもかこれでもかというほどの
悪の限りをつくした長門さんの姿を再現していた。
長門さん自身それを見て、こんなのはほんの一部だから、と。
南田さんはそういう長門さんを見捨てなかったけれど
体の方が尽き果てた、ということなんだろうな、と思いながら見ていた。
母の場合は脳が委縮しているのがはっきりとわかってしまったから
治ることはないと思う。
でもときおり、はっとするような鋭い発言をしたりするので
まだまだその部分を生かすようなことはできるのだろうな、と
少し、前向きな気持ちになった。
昨日の母の迷言
「自分の体であっても、みんなが(自分の体を)支配しているのよ」
看護婦さんが点滴の様子を見にきて体に触ったとき、強い調子で言った。
同室の若いお姉さんがクスッと笑っていた。
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