もう、1月も早半ば。
月日のたつのはほんとに早い。
母の正月の様子を書いておく。
三が日、我が家で過ごした母は、ご近所の方の車で、無事3日のお昼
「みんなの家」に送り届けた。
「お帰りなさい」という職員や入居の方たちの声に迎えられ、
すんなりと何事もなかったかのように、戻った。
暮れの31日、我が家に着いたときも意外とスムーズに家に入った。
ご近所の方に、いつもお世話になります、とあいさつをした。
私と一緒にホームにご近所さんが行ったとき
ただ笑っているだけで言葉はなかったのに。
家に入って、まずベッドに向かったがやや興奮していたのか。
寝ないですぐに起きてきた。
部屋を眺めていたが、針と糸を見てやおら手にとった。
何か縫うの?
「別に縫うのはないけど、針と糸をみたらなつかしくなって」
(こういう言葉が出てくることがすでに驚きだった)
じゃ、これ縫ってくれる?
ちょうど、長いウールの布をマフラーにでもしようかと思って
出しておいたのがあったので頼んでみた。
いいという。
針に糸を通すのはできないらしく私が通してその後は長い端を淡々と縫い始めた。
何度か糸を替え、1時間以上、ひたすら縫った。
夕御飯の時間になり、あとは明日にしようと、キリのいいところで終わりにした。
御飯のあと、いったんベッドに入ったが、気になったらしくもう少しだからと
起きてきてまた縫い始めた。
さらに30分ぐらいかけて縫い終わり、マフラーとして仕上がった。
ホームで縫物をみんなでするときもたまにあるが、ほとんど寝ているので
なかなか縫物の日に参加できることは少ないと聞いていた・・・。
耳が遠いだけのどこにでもいるような針と糸をもったおばあちゃんの風景。
奇跡のような光景に接して、少しじんときた。
そして、夕御飯のあとは普通に茶碗を片づけて洗っていた。
ホームでは一切それがない。
御飯が目の前にくるのを待って、食べ終わったら職員が片づける。
みんながそうだから、それに従っている。
家に戻ってきたら元の感覚が戻ったのか?
でも、2日目の夜から片付けなくなった。
緊張が解けてホームにいるときの感覚が戻ったのか?
その後行ってみたときも、様子を職員に聞いたときも
特に変わったところはないようだ。
我が家では、狭いところに寝かされているが、ホームでは広い個室があり
戻ってほっとしているのかも知れない。
なにはともあれ、正月のお泊まりは成功だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿